日本生理学雑誌 第68巻 4号

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表紙の説明

第82 回日本生理学大会(仙台)
演題番号: 3P054
演題:「ラットにおける動脈圧受容器が2-deoxy-D-glucose 投与時の腎と腰部交感神経活動の地域差に果たす役割」
“Role of arterial baroreceptors in regional difference in sympathetic nerve activity induced by 2-deoxy-D-glucse in conscious rats”
演者:永田恵子,吉本光佐,三木健寿
所属:奈良女子大学・大学院人間文化研究科・統御生理学

意識下のラットに,糖代謝の阻害剤である2-deoxy-D-glucose(2DG,750mg/kg)を投与し,腎と腰部交感神経の間での反応の差と,その差の成因について検討した.
A :対照群(Intact)における2DG 投与による,腎交感神経活動(RSNA)と腰部交感神経活動(LSNA)の対応の時間経緯をプロットしたもの.腎と腰部交感神経活動の変化の割合はIdentity line よりずれており,両神経間で反応の差が生じていることを示す.
B :頸動脈洞および大動脈弓の圧受容器神経を外科的に切除(sinoaortic denervation,SAD)したラットに同様の実験を行った.結果,腎と腰部交感神経活動の対応はIdentity line に沿う変化を示し,交感神経活動の地域差は観察されなかった.
以上,急性の糖代謝阻害は,腎と腰部の交感神経活動に異なった反応を引き起こし,その差は動脈圧受容器に起因することが明らかとなった.