日本生理学雑誌 第68巻 1号

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表紙の説明

第82回日本生理学会大会(仙台)演題番号:1PO89
演題:微量アセトアルデヒドが心筋筋小胞体からのカルシウム遊離を促進する
“Clinically relevant amounts of acetaldehyde enhance calcium release from cardiac muscle sarcoplasmic reticulum”
演者:大羽利治1,中須賀公亮2,前野善孝2,村山 尚3,小川靖男3
所属:1名古屋市大院・医・細胞機能制御,2同・法医科学,3順天堂大・医・薬理

「微量アセトアルデヒドによる心筋筋小胞体からのカルシウム遊離」
A.ラット単離心筋の電気刺激により誘起されたCa2+遊離のアセトアルデヒドによる促進.0.03%コラゲナーゼ処置により心室筋細胞を単離し,10 µM Fluo−3AMを0.08% Pluronic F127存在下に室温で20分負荷する. Conforcal imaging system (LSM 5 Pascal,Carl Zeiss Inc)を用い, line scan mode (0.81 ms/1ine, 512 pixels/1ine)で, 電気刺激によるCa2+transientを観察した. 1−10 µMアセトアルデヒド曝露により,Controlに比べ,  Ca2+transientのピークの増加を見た.非生理的高濃度(100µM)のアセトアルデヒドでは,ピークはむしろ抑制された.
B.ウサギ精製2型リアノジン受容体(RyR2)のアセトアルデヒドによる活性化. ウサギ心室筋から薦糖蜜度勾配法とMono Qカラムクロマトを用い, RyR2 チヤネルを精製した. lipid bilayers 膜にRyR2を融合し, 膜電位固定 (cis=−40mV,trans=ground)下にK+をcharge carrierとして, チヤネル活性を測定した. 下向きの振れがチヤネルの開状態を示す. アセトアルデヒドは濃度依存性にチヤネル活性を増強した.