CONTENTS
- VISION - 若手についての3つの迷信(小泉 周) P.1~
- SCIENCE TOPICS - 細胞内Mg2+濃度はNa+-Mg2+交換輸送によって維持される(田代倫子) P.3~
- LECTURES - 生理現象と高分子排除体積効果 (Excluded Volume Effect)一高分子活量係数 (I)(曽我美 勝,恵良聖一,平松宏一,村上政隆,瀬尾芳輝,加藤一夫,藤本 守) P.4~
- PROFILE - 井上隆司 P.15~
- HELLO PSJ - NIHでのボスドク生活(辻本悟史) P.16~
- AFTERNOON TEA - 松本健二 P.18~
- INFORMATION - 事務局から P.22~
- 日本医学会だより - 日本医学会だより P.23~
- RECORDS - 第82回日本生理学会大会報告 P.25~
- CALENDAR - 主な研究集会日程 P.27~
- IN JJP - Vol.55,No.2 P.28~
- ABSTRACTS - 第52回中部日本生理学会 P.30~
表紙の説明
第82回日本生理学会大会(仙台)演題番号:1PO89
演題:微量アセトアルデヒドが心筋筋小胞体からのカルシウム遊離を促進する
“Clinically relevant amounts of acetaldehyde enhance calcium release from cardiac muscle sarcoplasmic reticulum”
演者:大羽利治1,中須賀公亮2,前野善孝2,村山 尚3,小川靖男3
所属:1名古屋市大院・医・細胞機能制御,2同・法医科学,3順天堂大・医・薬理
「微量アセトアルデヒドによる心筋筋小胞体からのカルシウム遊離」
A.ラット単離心筋の電気刺激により誘起されたCa2+遊離のアセトアルデヒドによる促進.0.03%コラゲナーゼ処置により心室筋細胞を単離し,10 µM Fluo−3AMを0.08% Pluronic F127存在下に室温で20分負荷する. Conforcal imaging system (LSM 5 Pascal,Carl Zeiss Inc)を用い, line scan mode (0.81 ms/1ine, 512 pixels/1ine)で, 電気刺激によるCa2+transientを観察した. 1−10 µMアセトアルデヒド曝露により,Controlに比べ, Ca2+transientのピークの増加を見た.非生理的高濃度(100µM)のアセトアルデヒドでは,ピークはむしろ抑制された.
B.ウサギ精製2型リアノジン受容体(RyR2)のアセトアルデヒドによる活性化. ウサギ心室筋から薦糖蜜度勾配法とMono Qカラムクロマトを用い, RyR2 チヤネルを精製した. lipid bilayers 膜にRyR2を融合し, 膜電位固定 (cis=−40mV,trans=ground)下にK+をcharge carrierとして, チヤネル活性を測定した. 下向きの振れがチヤネルの開状態を示す. アセトアルデヒドは濃度依存性にチヤネル活性を増強した.