平成24年度第1回日本生理学会教育委員会議事録

日時
平成24年3月28日 10時00分〜13時00分

会場
ホテルブエナビスタ(長野県松本市)2階会議室

出席者
石松秀(久留米大)、奧村哲(静岡理工科大)、河合康明(鳥取大)、鯉淵典之(群馬大)、椎橋実智男(埼玉医大)、中島昭(藤田保健衛生大)、松田哲也(玉川大)、森田啓之(岐阜大)、森本恵子(奈良女子大)、山下俊一(女子栄養大)、山中章弘(生理研)(五十音順)
欠席者久野みゆき(大阪市大)、松尾理(近畿大)
議長鯉淵典之委員長
書記奧村哲、山下俊一

報告事項

1.生理学会常任幹事会への報告事項について

報告予定の主要事項は以下のとおり。

  • 長野大会における教育委員会主催プログラムはモデル講義とMD-PhDシンポジウムを実施する。
  • 生理学認定エデュケーター制度(仮称)については制度の骨子を作成した。
  • 今後の生理学会大会における教育関連プログラムの実施方法については現在検討中。
  • 「新訂生理学実習書」は近々発刊予定。
  • FAOPSの医学教育関連プログラムの当面の連絡係は、元教育委員の渋谷まさと先生(女子栄養大短期大学部)を推薦したい。

2.日本医学教育学会「基礎医学振興のための大集会」について

本年2月4日に開催された「基礎医学振興のための大集会」に参加し発表を行った鯉淵委員長より報告があった。MD研究者および基礎医学の研究者をどのように育成するかがテーマであったが、参加学会間に温度差があり、医学教育学会で同じテーマのシンポジウムを行うこととなった。この集会に参加した他の委員からは、学部生をどのように育てるかという視点が足りないという意見があった。

3.生理学実習書の進捗状況について

震災の影響で遅れている生理学実習書について、南江堂から新しいスケジュールが提示された。11月発刊予定である。

討議事項

1.教育委員会主催プログラムの役割分担についての最終確認

教育委員会が長野大会で主催するモデル講義とMD-PhDシンポジウムの最終準備確認が行われた。

2.今後のアウトリーチ活動について

アウトリーチ活動には莫大な労力を要するので、生理学会が独自のアウトリーチ活動を行うにあたっては、既存の学会のリソースをいかにうまく使うかがポイントである。
一般向けのホームページを開設し、「生理学とは何か」がわかる一般向けの説明を行う。この説明は「一歩一歩学ぶ生命科学」の項目を選択することで可能と思われる。また、一般向けのホームページにはアウトリーチ活動のイベントを掲載するのが良い。ホームページの充実に関して、常任幹事会で教育委員会から編集・広報委員会に要望を出すことになった。
さらに以下のような意見が交わされ、継続審議となった。

  • 講演会等のイベントでは「生理学会後援」を冠することで演者にも生理学会にもメリットがある→「後援」を冠する要件を決める必要がある。
  • 学会の人的リソースを最大限に活用するためにアウトリーチ活動ができる人材の名簿を作るのが良い→事務局がかわる可能性があり実現が難しい。生理研に参加してもらうのが良い。
  • 若手の会のサマースクールは近年参加者が減ってきて模様替えが必要と思われる→若手の会で骨子を作り教育委員会が後援するスタイルが良い。

3.生理学認定エデュケーター制度について

1)エデュケーター資格認定(ポスドク、コメディカルを対象)と、2)スーパーバイザー資格認定(シニア向け)を計画しているが、まずはエデュケーター制度を確実に立ち上げる。
エデュケーター資格認定は、1)生理学会の会員であること、2)生理学会での発表があること、3)論文もしくは学位(修士または博士)、4)教育講演等の教育委員会指定イベントへの出席、5)評議員の推薦書、6)認定試験による。
資格は5年間有効とし、更新は教育委員会指定イベントへの出席による。
認定試験については、試験委員会を立ち上げて検討する。マークシート形式の筆記試験とし、問題は解剖生理学クリアブック程度の難易度とする。今後、問題をプールしていく必要があるが、出題委員を選考する一方、教育講演の演者には2〜3題の作問を依頼するのが良いと考えられる。解剖生理学クリアブックの利用については鯉淵委員長から医学書院に依頼する。
スーパーバイザーとは教員を教育する資格を認定する制度である。スーパーバイザーは学会で認定講演を行い学会役職者の承認により認定する。試験は課さない。必要要件は学会発表と論文とする。

4.生理学会大会教育関係プログラムについて

教育講演は必ず大会本体内で実施し、日本語で10講演くらいを準備する。講演のテーマは「生理学教育コアカリキュラム」に準じ、教育方法やパネルディスカッションも加える。演者には、最新の内容を含みつつ、平易な言葉による講演を依頼する。講演40分、質疑応答10分、休憩10分程度のゆったりとした時間配分とする。
計画にあたっては広報活動と出席管理の方法を工夫する必要がある。