日時
平成20年11月22日 午後1−5時
場所
学士会赤門分館
出席者
岡田泰伸、川上順子、小西真人、粟生修司、石川義弘、大森治紀、尾仲達史、亀山正樹、河合康明、河原剛一、久保義弘、倉智嘉久、栗原 敏、佐久間康夫、佐々木和彦、少作隆子、白尾智明、鈴木 光、高木 都、高松 研、田中潤也、本間生夫、前田正信、松井秀樹、松田哲也、松山清治、水村和枝、宮下保司、山下勝幸、柚﨑通介、吉村 恵、金子章道、丸中良典、篠田 陽
欠席者
岡野栄之、彼末一之、鯉淵典之、曽我部正博、西条寿夫、丸山芳夫
報告および協議事項
1.岡田会長挨拶および前回議事録承認を要請
2.庶務報告 (岡田泰伸会長)
岡田会長より平成20年1月より10月までの会員動向について報告。入会212名、退会109名、総会員数3116名であることが報告された。評議員辻岡克彦先生のご逝去(H20.07.21)に対し、弔意が述べられた。JPSの公開入札を日本生理学会ホームページ上に広告を掲載して実施、2件の応募があった事を報告。その他、文部科学省技術振興調整費「女性研究者支援モデル育成」事業私立合同シンポジウム(H20.11.1)、第23回生体・生理工学シンポジウム(H20.9.28-30)、The 3rdMEI International Symposium(H20.11.30-12.2)の開催にそれぞれ生理学会として協賛を行なうことを報告。
3.財務報告(川上順子財務幹事)
財務幹事より平成20年度日本生理学会会計中間報告(H20.1.1.-H20.10.31)および有限責任中間法人会計中間報告があり、会費納入割合が80%を越えたこと、第85回生理学会大会より、3,000,000円(生理学会へ)と2,000,000円がIUPSシンポジウム旅費として振り込まれた事を報告。
IUPSへ積立金、基金、寄付を含めて総額26,148,807円(内3,000,000円はH18年に既に振り込み)生理学会より支援金として振込ことを報告。
4.編集・広報委員会(小西真人編集幹事)
日本生理学会誌の発行を月の初旬にしたこと、ホームページ英語版の作成については、引き続き小委員会(小泉先生、河原先生)で検討中である、また、Membership application formがホームページからダウンロードできるようになったことが報告された。要望事項として、巻頭言の原稿が集まりにくいことから新常任幹事には巻頭言執筆依頼。
メーリングリストは現在会員の69%程度であるので、各大学、研究機関へ加入のお願いを出す事の承認が得られた。
5. JPS編集委員会 (佐久間康夫委員長)
59巻1号よりメディカルトリビューン社からSpringer社に出版社を変更した事を報告。表紙が刷新されるので、新しい表紙を紹介。この変更に伴い、IFが1以上であったのが、0.864になる計算であり、今後レビュー原稿を増やしてIFの向上を行なう予定としている事が報告された。さらに、Supplementの引用でもIFに影響が出るので,JPSの論文の引用を心がけて頂くことを要望。JPSの編集規定はしばらくの間JJPの規定で続ける事を提案、承認。Editorial boardは2年の任期にこだわらず、変更し実際に査読をしてくださる方をboardに加わって頂く事を提案。岡田会長から2009年のIUPS abstractをJPS Supplに掲載することとなったので、引用をお願いしたいとの発言があった。
6.選挙管理委員会 (高松研委員長)
選挙がなかったために今回は開催されていない。前回、問題となった学術振興会への科学研究費補助金審査委員の推薦については学術・研究委員会で検討中。
7.会員委員会 (吉村恵委員長)
昭和61年から平成20年までの日本生理学会会員数の推移をグラフにした物を提示。平成5年の3500人をピークに平成20年は3000人を割っていることが報告された。佐久間先生より第85回大会では971名の会員が参加しており、大会参加の総数が3116名であることから、会員の参加が少ない事が指摘された。石川義弘先生から、学会はどこでも会員が減少する傾向にあり、他学会での会員の動向を調査する必要があるとの意見がでた。前田正信先生から将来計画委員会で、解剖学会の調査を行なっているところであることが報告された。岡田会長からは、国内外からの参加者についての調査を毎回の大会で実施し、分析を行なうことが提案された。金子章道先生からは、医学系以外の分野の会員の開拓、増員の必要性が提示された。
高木都先生から前述のグラフで平成19~20年が大きな減少を示している理由の分析は出来ているか、(1)シンポ形式が多くなり、一般口演が減った事、(2)英語発表なので若手が出しにくい事等が原因と考えられないかとの質問があった。また、IUPS終了後の学会発表を英語で行なうのかどうかの質問があり、白尾智明先生より、英語発表にしたのは生理学会大会を国際的な活動にするためであり、IUPSのためではないこと、英語発表による参加数の減少ではないとの発言があった。久保義弘先生からは、英語発表としたのは、生理学会大会の高度学術化を目指してのためであり、IUPSの開催には関連がないこと、若手研究者のために、地方会は日本語で行なう事になっており、そちらでの発表が可能なこと、その趣旨は今でも保持されていると考えられるので、大会は英語発表を維持すべきであるとの意見がでた。
8.教育委員会(河合康明委員長)
コアカリキュラム改訂版を生理学会ホームページに載せているが、会員からの意見は今のところない。生理学実習書の在庫がなくなるため、増刷をするのではなく、内容を改新する必要があると思われ、そのために全国の医科大学でどのような実習が実施されていか調査を行なう予定であることの報告があった。新たな試みとして、学部学生の生理学への興味を引き出すために「生理学オリンピック」の立ち上げ準備として「国際生理学クイズ大会」に参加し、その結果しだいで2010年にも生理学オリンピックを開催したいとの報告があった。
9.IUPS教育WS組織委員会(松尾理委員長)
本日欠席の松尾委員長に代わり、岡田会長より以下の報告があった。(1)国際教育委員会にて最終プログラムを決定した。(2)国内IUPS教育ワークショップ組織委員会のメンバーを実際に活動出来る若手委員へ変更をした。(3)ワークショップに日本枠15名を確保した。
河合康明先生よりワークショップには、医学部以外の参加も海外では多いので、日本でも多くの参加を検討していると報告があった。
10.学術・研究委員会(白尾智明委員長)
第114回日本解剖学会において、「生理学-解剖学連携シンポジウム」が開催される予定となっており、生理学会から参加予定であることが報告された。学術大会の英語発表に関して、生理学会大会は英語で、地方会は日本語というのが原則であるが、シンポジウムは日本語でも良いとされている。小西真人先生から、最近地方会も英語というところがあるが、生理学会として地方会のあり方を考え、若手が参加し易い方法を模索する必要があるとの意見が出た。地方会の中には、若手に地方会奨励賞を出して、参加支援しているところがあり、具体的な例として中国・四国地方会の若手奨励賞について田中潤也先生より紹介があった。吉村恵先生、粟生修司先生より九州地方会でも同様の取り組みをしており、活性化に繋がっているとの報告があった。
科学研究費補助金審査委員の推薦については、現在新たな推薦方法を検討することになり、継続審議事項となっている。科学研究費補助金の時限付き細目の提案については、生理学会からも案を提出できることが白尾先生より説明があり、継続して検討していただく事になった。
11.研究倫理委員会 (粟生修司委員長)
研究倫理に関する試案をまとめ、2010年に提出する予定になっており、各論まで踏み込んで考えた内容としたい。「動物実験関係者のための連絡協議会」が作成した啓蒙パンフレト「明日の幸せは健康からー実験動物に感謝をこめて」(300円/1部)を生理学会でも買い取り、配布を検討したいとの提案があった。野生動物の研究利用について法律見直しが検討されていたが,今国会では公式な禁止はしないことになった。しかし、動物愛護団体への対応は必要と思われる。医療系以外の研究組織における動物の取り扱いは、まだプリミティブな所もあり、調査が必要と思われる。神経科学会と合同でアンケート調査を行なう計画であることが報告された。今後の活動は、実験動物倫理だけでなく、ヒトを対象とする実験倫理、研究者倫理(研究費不正使用、論文データねつ造など)、人の個人情報、安全、等につても検討していく必要がある。
12.将来計画委員会(前田正信委員長)
(1)基礎医学教室の現状を解剖学会と共同でおこない、基礎医学講座の縮小・統合が進んでおり、教育・研究の危機を実感出来ること。学術会議などへアピールして行く事が必要であるとの提言があった。宮下保司先生から基礎医学全体の問題であり、具体的に生理学会から提言をだすことで、動きを出す事が大切ではという意見がでた。(2)若い世代への生理学の啓蒙に生理学会から大学入学以前の生徒に講義をするようなイベントを計画してはどうかとの案で、そのための「アウトリーチ」委員会を作りたいとの意見がでた。(3)他学会との共同学会開催の推進。(4)他国の生理学会との共同活動強化。岡田会長からFAOPSを登用することが大切との意見が出た。
13.男女共同参画推進委員会(水村和枝委員長)
IUPS男女共同参画推進委員会と共同で作業を進めており、シンポジウムが確定した。また、大会時の保育室、学童保育の部屋も確保でき、IUPSホームページへ掲載した。生理学会ホームページにアドバイザー窓口を設置したが、利用者が少ない。メンターカフェの設置、顔の見える制度を考えるなど活用されるには検討が必要。アカデミックハラスメントの対策を生理学会ではどのようにするのか今後検討をする必要がある事を報告。
14.賞選考委員会(大森治紀委員長)
平成21年度若手奨励賞に1件の応募があったが、平成21年2月末まで応募を延期することを決定。地方会の賞は申請により賞選考委員会で検討し、生理学会の賞としてauthorize する。
15.法人化委員会(本間生夫委員長)
現在の有限責任中間法人は、特に手続きは必要なく、平成20年12月1日に自動的に一般社団法人となり、理事、監事の再選考は必要ない。最初の総会において、「一般社団法人」を使用する定款変更をおこなう。
16.フィジオーム・システムバイオロジー推進特別委員会(倉智嘉久委員長)
IUPSにおけるフィジオーム関連プログラムについて説明。これからの生理学会としての推進方法について説明。
17. 若手の会運営委員会(篠田陽委員長)
新旧の運営委員の交代と紹介。年間活動報告。サイエンスカフェ(3月、9月の2回開催)、若手シンポジウム、生理学若手サマースクール、を開催。脳科学若手の会とML情報を共有化する。若手の会から学会費、年会費、寄付金等をクレジットカードで決裁出来るようにして欲しいとの要望が出た。財務と事務局で現在可能性について検討中。
18. IUPS 組織委員会(宮下保司大会長)
9月1日より一般演題募集、早期参加登録が開始した。演題の応募を各常任幹事に依頼。プログラム委員会は、7件のIUPS Lecture, 17件のSpecial lecture, 45のSymposiaの日程を確定した。IUPS大会の3rd Circularが発行され、配布先に送られたので、広く周知させることを依頼。財務委員会からは、企業への協力お願い、広告掲載依頼、さらに会員個人の寄付を積極的にお願いすることを要請。
19. 国際生理科学連合(金子章道会長)
IUPS Executive Council Meeting における財務状況の説明。米国National Academy of Scienceの財政状況が悪く,NSFが2年続けて会費の未納があること、全体の収入に占める割合が40%と大きいことから影響が大きい。その他、京都大会の詳細について説明をしたことを報告。
20. FAOPS報告(岡田泰伸会長)
第2副会長に台湾生理学会長Julie YH Chan氏が就任し、2011年第7回FAOPS大会を主催することになった。Associate Memberとしてウズベキスタン生理学会が加盟。大会に岡田会長が出席予定。
FAOPS未加盟国の代表となるような生理学者の知己がいる方は紹介を依頼。現在シンガポール生理学会の参加を勧誘している。
21. 日本医学会用語委員会(柚崎 通介委員)
日本医学会の医学用語管理委員会から(1)熱中症の定義について(2)Funicular myelosisの訳語について、(3)奇形を含む用語の言い換えについて諮問があり、生理学会長と相談のうえ対応した旨報告された。
22. 生理学会大会報告
第86回大会丸中良典大会長より大会ホームページの作成中であること、市民講座をIUPSと共同で開催する予定で準備していることの報告があった。また、生理学会大会としてグループディナーを行ないたいとの要望があることが報告された。第85回大会佐久間康夫大会長より報告があり、プログラム委員会の設置は1年前では間に合わないので、2年前から準備をする必要があり、そのための予算処置を考慮すべきとの意見が出された。
第87回大会佐々木和彦大会長が、5月19,20,21日を予定していること、3月までにプログラム、ホームページ、財務を計画することを説明。
議事
- 科学研究費補助金審査委員推薦の選挙については、今年度はおこなわないが、継続審議事項とする。
- 大学院生(修士課程)の大会参加についての改訂は2010年からとする。その内容については学術・研究委員会で検討することとなった。
- 生理学用語集は、在庫が無いがこのままでは内容が古く、問題があることから、三役で今後検討することとなった。