平成22年度日本生理学会第1回常任幹事会議事録

日時
平成22年5月18日 13:00~17:00
場所
ホテルメトロポリタン盛岡(岩手)

報告及び協議事項

1.会長挨拶 (岡田会長)

岡田会長から、IUPSが終了し、生理学会の真価が問われる年となるだろうとの挨拶があった。盛岡大会がIUPS直後の学会であったため開催にご苦労があったが、無事開催されたことを盛岡大会長佐々木先生に感謝の意が述べられた。

2.庶務報告(岡田会長)

岩間吉也先生、佐々木優先生、林 實先生、西中弘先生の御逝去に対して弔意が述べられた。
岡田会長から、会員数に関して例年に比較して新入会数がかなり減少していること、通常は大会での入会者が増加するが、IUPS開催であったために、新入会が少なかったと思われることが報告された。
次期会長選が今年度行なわれる事の確認がされた。
入澤 宏、彩先生からの遺贈を基盤とした奨励賞の設立について報告。別紙のように使途方針を決定する事を報告した。
山田科学振興財団助成に2名の会員(神谷、小泉)を推薦したことを報告した。

3/31に社会総会を開催し、4/1付で定款を変更し、一般社団法人日本生理学会(非営利性)の手続きをしたことが報告された。

3.財務報告(川上財務幹事)

財務幹事から、平成21年度日本生理学会会計(1月1日から12月31日)の決算報告、各種積立金、基金の現状報告が行われた。続いて明間、石川会計監事より、平成22年5月14日に監査が行なわれ、適正な会計処理が行われていることが報告された。常任幹事により決算案が承認された。
続いて、平成21年度会計の予算案が提出され、承認される。

4.編集・広報委員会報告(小西編集・広報幹事)

小西編集・広報幹事から、経費削減のため表紙を2色刷りに戻すことを報告。教育委員会、若手の会に依頼して、記事を掲載することとした。
Profile に掲載する人材を推薦頂くように、また、Awardに漏れが無いように、地方会賞について連絡を頂くように依頼。

5.JPS編集委員会報告(佐久間委員長)

佐久間委員長から、JPS編集・発行状況について報告があった。JPSのインパクトファクタが改善されてきており、そのためにもSupplement号の引用を引き続きお願いする。
JPS入澤記念循環賞、入澤賞に関してはメール投票で候補者を出し、委員会で選出する方式とする。この賞に関しては、候補者は生理学会会員以外でもよいとする。
編集委員会構成を再検討し、50名程度の編集員を置く事を要望。承認。

6.選挙管理委員会報告(高松委員長)

高松委員長から常任幹事半数改選結果の報告があり、次期会長選のための選挙について説明。次期会長候補推薦委員会の委員を前期常任幹事から選挙にて投票。開票の結果、岡野、栗原、白尾、高木、高松、松井、宮下の7名が選出された。次点は粟生、曽我部の2名。(敬称略)

7.会員委員会報告(吉村委員長)

吉村委員長より特別会員として小澤瀞司先生を推薦する提案がだされ、推薦者代表として、鯉淵幹事から紹介および推薦内容が報告され、承認された。
評議員の推薦と決定は別紙の通り。

8.教育委員会報告(河合委員長)

河合委員長から、生理学実習書改訂の進行状況が報告された。
生理学会大会においてMD-PhD企画が今回は実現出来なかったが、次回に計画したいことが報告された。さらに、大会への学部学生参加を推進する事を検討したとの報告があった。
生理学会としての、生理学に関連した事項についてのコアカリを作製したので、全国医系大学へ送付し、意見を集約、さらに改善を図る事を計画していることが報告された。柚崎幹事より現在のコアカリ、CBTは基礎が無視される傾向があるので、是正が必要であるとの意見が出された。河合委員長から、コアカリ委員会は内容まで突き詰めて作る考えはないので、現場の必要のためにも、この生理学コアカリ集は大切であるとの意見が話された。

9.研究倫理委員会報告(粟生委員長)

粟生委員長から、次期委員長に蔵田潔幹事を推薦。承認
ヒトを被験者とした実験、利益相反等を生理学会として纏めて行くのであれば、この方面に知識のある委員を入れて法的理解をして行く必要があることが報告された。今大会では、動物実験倫理規則、その教育等をシンポに組み込んだ。

10.将来計画委員会報告(前田委員長)

「基礎医学教育・研究の活性化に対する要望書」を4学会連携で民主党および文科省に2/17付で提出した事が岡田会長より資料(別紙)とともに報告された。大会一日目にメイン会場で将来計画委員会提案シンポジウムがあり、具体的な討論がされる事を期待している事が話された。
前田委員長から、高校以下の子供達への生理学の啓蒙活動について、出前講義のシステムへの登録依頼があり、河合幹事から出前講義システムを作る事を討議するのかという質問があった。前田委員長より、前回幹事会ですでにシステム構築が決定しており、今回は具体的なシステム構築方法の討議であることが説明された。若手の会の提案であるので、松田幹事より中高から出前講義の希望はあるが、窓口がないことが問題である事が報告された。生理学会で、出前講義をauthorizeする事が大切であるとの見解がでた。岡田会長から、一千万以上の科学研究費補助金を受けた研究者は今後アウトリーチの義務化が適応されることもあり、生理学会としても積極的に進める必要がある事が話された。
前田委員長より、生理学会会員を増強するには、コメディカル会員を入れる事、そのためには日本語発表の場を設ける事の提案があった。また、他学会、国外の生理学会等と共同大会の開催等を検討すべきであるとの意見がでた。

11.男女共同参画推進委員会報告(水村委員長)

水村委員長より、生理学会会員職階別男女比のアンケート調査の方法について、予算により異なる事が報告された。e-mailでのアンケートは、個人情報の問題はあるが、回答率は高くなることが予想される意見が出され、e-mailを利用したアンケート調査を実施する方向で検討することとなった。

12.賞選考委員会報告(大森委員長)

大森委員長より生理学会奨励賞の規程一部改訂について、生理学会で活躍している研究者を重視する必要があり、そのために応募規定の一部変更(別紙参照)の提案があり、宇賀幹事の提案で応募規定に生理学会での活動をくわえることとなり、承認。
若手奨励賞について、松田幹事より「生理学会賞」は37歳、「入澤賞」は39歳と異なるが違いがあって良いのかとの質問があり、岡田会長から科学研究費補助金では若手は39歳となっているので、入澤賞はそれで応募する事を説明。
久保幹事より「生理学会賞」と「入澤賞」の関係が不明。どちらが権威があると考えるのか質問があった。さらに関野幹事より100万は研究費と考えられるが、10万は、意味が異なると思われるとの発言があった。栗原幹事から「生理学会賞」は、履歴書に書く事を考えて制定された賞であり、「入澤賞」が100万ということであれば、研究奨励金とする事の提案があった。久保幹事から100万の金額は、生理学会賞の存在の輝きをなくすことにはならないかとの意見が出た。岡田会長から「入澤賞」は研究費を含んでおり、「生理学会賞」はあくまで名誉賞であることを説明。

13.法人化委員会(本間委員長)

本間委員長より2009年一般社団法人へ変更した経緯、および、入澤先生からの高額寄付に関して一般社団(非営利)となる事が求められ事を説明。それには以下の問題点があることが指摘された。(1)総ての決議を総会で行なう必要があり、全会員の1/2の出席を求められる。(2)代議員性をとることは可能であるが、現在の評議員をどうするか。(3)現在は評議員から選出されている役員(常任幹事)を会員全体から選出する必要がある。(4)現在は会長を選出してから常任幹事となっているが、今後は役員の中から選出する必要がある。

14.学術・研究委員会(白尾委員長)

福田敦夫委員長代理から次期委員長は久保幹事を推薦、承認。
3月にイメージングの題で、解剖学会と企画シンポを実施し、200名以上の参加があったこと、今後も他学会(薬理、解剖)と合同シンポを定期的に行なう事を検討しているとの報告があった。今回、科学研究費シンポを予定しており、現在まで、筋肉生理の件、細目の問題など検討してきたが、今後の進展を他学会との協調も視野にいれて検討して行くとの報告があった。
山本幹事より生理学会用語集が絶版になっているが、今後の方針について質問があり、柚崎幹事より、冊子として出版する計画はないが、Web上で使用できるようなことも考えられるとの返答があった。

15. 若手の会運営委員会(篠田委員長)

篠田委員長より夏のサマースクールを統合脳の資金で行なってきたが、統合脳が終了となり、現在資金源を探し、包括脳に申請中であると報告された。
若手研究者をサポートする政策を政府へ提言するために若手の会として他13学会とともに要望書を文部科学省へ提出したことが報告された。

16.IUPS2009組織委員会報告(栗原第36回IUPS組織委員会副委員長)

栗原第36回IUPS組織委員会副委員長より第36回IUPSの最終収支報告(資料参照)と、平成22年5月に宮崎、本間両監事により監査が終了した事が報告された。

17.生理学会女性研究者の会運営委員会(少作委員長)

岡田会長より、入澤彩記念女性生理学者奨励賞について説明があり、その運営を依頼するにあたり、正式に幹事会へ入る必要があることから、今回少作委員長の出席を求めた経緯が説明された。少作委員長からは、会の説明と入澤彩賞の規程案についての説明があった。

18.国際生理科学連合報告(岡田会長)

岡田会長よりIUPS新メンバーの紹介があった。

19.FAOPS報告(岡田会長)

岡田会長より、FAOPSの活動について報告。2011.9.11-14に第7回FAOPS大会が台北で開催されるので多数の参加をとの要請が行われた。なお、早期参加登録・演題申請は2011.4.30〆切の予定。
岡田会長から2019年開催国に日本としてentryするのか提議され、若手へ決断をお願いすることとなった。

20.第87回日本生理学会大会(盛岡大会)状況報告

佐々木大会長より、状況の説明。参加者数1023名、演題数721との報告があった。

21.第88回日本生理学会大会(東京大会)準備状況報告

栗原大会長代表より3月28,29,30日パシフィコ横浜で開催。解剖学会との共同シンポジウムがすでに13件申請があること、会場としては7会場を準備していることの報告があった。解剖学会の会長は、内山安男先生、生理学会側の事務局長は東京医大小西幹事、生理学会側のプログラム委員長は慈恵医大加藤幹事が決まった。

22.その他

審議事項

  1. 前回議事録承認
  2. 次期会長候補推薦委員会委員の選出(選挙管理委員会報告参照)
  3. 特別会員推薦(会員員会報告参照)
  4. 第89回日本生理学会大会会長として信州大学 大橋俊夫教授を選出
  5. 日本医学会評議委員 加藤幹事、連絡委員 丸中幹事、用語委員 柚崎幹事をそれぞれ選出。
  6. 生物科学連合連絡委員として小西幹事。