平成13年度 第2回常任幹事会速報

11月24日に平成13年度第2回常任幹事会が開催されました。その概要をお知らせいたします。なお、正式な議事録は、日生誌に掲載されます。

国際生理科学連合(IUPS)大会の日本開催について

すでに日生誌の記事に掲載されているように、IUPSの2009年大会が日本で開催されることが、本年8月26日New Zealandで開催されたIUPS総会で決まりました。IUPS総会におけるその他の審議事項と日本大会に向けての準備状況について報告がありました。IUPS総会については別項、「IUPS総会記録」をご覧ください。

常任幹事の選出と任期の変更に伴う会則改訂

常任幹事の選出と任期が平成13年3月30日に開催された評議員会総会で以下の様に変更されました。(1)常任幹事の1任期は4年とし、1任期終了後2年間は再選できない。(2)任幹事の約半数は2年毎に改選する。(3)常任幹事の選出にあたり、数名の特別枠を設ける。今回の常任幹事会では、これに伴う会則の附則である<常任幹事会における事項>の一部改訂が行われました。

次期常任幹事の選出について

現在の常任幹事の任期は、来年3月で終了します。次の常任幹事の選出は、上記の京都での評議員会・総会での承認事項に従って実施されます。新制度への円滑な移行と2009年IUPS 大会の日本開催への取り組みを踏まえて、次回の常任幹事の選出手続きが決まりました。その大要は以下の通りです。(1)次回の改選に限り各地区の当選者のうち約半数の上位当選者を4年任期、下位当選者を2年任期とする。(2)特別枠の考えを適用して、IUPS 大会組織委員会の主要メンバー4名(President、Treasurer、Secretary、Program Committee Chairman)は次期の常任幹事に就任する。このIUPS 大会枠常任幹事の設置は2009年IUPS 大会終了時までとする。(3)その他の特別枠幹事は、選挙で選出された次期常任幹事予定者の推薦、3専任幹事による候補者の絞り込み、次期常任幹事予定者よる投票の過程を経て選出する。特別枠常任幹事は3名以内とし、任期は4年とする。

3専任幹事の名称変更について

現在、生理学会は、常任幹事会において選出された庶務幹事、会計幹事、編集幹事の3専任幹事を中心として各種の案件を処理しています。この3専任幹事の名称を、それぞれ会長、財務担当幹事、広報担当幹事と変更することが会則委員会から提案され、活発な意見交換の後、可決されました。これに関わる会則の改訂案は、次回の評議委員会・総会で審議されることになります。

生理学教育について

コア・カリキュラムやチュートリアル教育の導入など生理学教育が大きく変わろうとしています。教育委員会から、次回広島での生理学会大会における教育シンポジウムの企画について提案があり、さらに、大会における教育シンポジウムの重要性が指摘されました。大会のプログラム委員会において、教育シンポジウムの取り扱いに十分な配慮をすることになりました。

科学研究費補助金審査委員候補者の選出日程について

神経科学学会の審査員候補者の調整の円滑化と、従来のきびしい選挙日程の緩和のために候補者の第一次選挙日程の早期化することが会則委員会から提案され、了承されました。5月の初めには審査委員の候補者を生理研連委員長へ推薦できるよう、選挙の日程が組まれます。

科学研究費補助金の「系・部・分科・細目表」の改正について

科学技術・学術審議会学術分科会から平成15年度科学研究費補助金「系・部・分科・細目表」に関する通知がきました。主な変更点は、(1)分科細目表をこれまでの8部(文学、法学、経済学、理学、工学、農学、医学、複合領域)構成から、4系(総合・新領域系、人文社会系、理工系、生物系)構成となったこと、(2)これまでの「複合領域」を「総合・新領域系」とし、さらにその中を(総合領域)と(複合新領域)の2つに分けたこと、(3)総合・新領域系の細目では、その細目をキーワードにより複数のグループに分け、第1段階審査をキーワードのグループ単位で実施する方式(キーワード方式審査)を導入したこと等です。
総合領域の神経科学分科には、神経科学一般や神経・筋肉生理学などの細目はそのまま残っています。しかし、神経・筋肉生理学では、その中が2分され、神経生理学と筋肉生理学の2つの亜細目として、それぞれ別の審査員により第1段階審査が行われます。特に筋肉生理学を研究している会員にとっては、これまでと審査状況が大きく変わりますので、細目の選択には十分ご注意下さい。

実験動物について

研究用の霊長類の供給体制の安定化と繁殖コロニーの設置に関する要望書を動物実験に関する委員会がとりまとめ、文部科学省、日本学術会議、および総合技術会議に提出しました。また、「生理学領域における動物実験に関する基本的の方針」の英語版の案が提出されました。今後、国際的な規約との整合性についてさらに検討し、近く最終案が作成される予定です。
これまでもっぱら実験動物に関する問題を取り扱ってきた「動物実験に関する委員会」を、倫理面も踏まえたヒトの実験に関する生理学会の基本姿勢についても検討する委員会に改組することが提案され、了承されました。具体的な改組の内容については、次期の常任幹事会で検討されることになります。

将来計画委員会からの提案について

提案のいくつかは、今回の常任幹事で議論のうえ採択されましたが、「事務局長の新設」と「執行機関の新組織体制」(会長と総務、財務、広報、渉外、IUPS担当幹事からなる執行部組織の設置)については、今後さらに検討することになりました。

第80回生理学会(平成15年、2003年開催)について

第80回生理学会(当番幹事、福岡大学今永教授、ほか)は日本薬理学会と同じ会期、同じ会場で開催し、両学会の交流を図ることとなった。会期は平成15年3月24-26日の予定。

第81回生理学会(平成16年、2004年開催)について

第81回生理学会は札幌において開催することが承認された。
以上

(日生誌編集委員 工藤典雄記)