CONTENTS
- VISION - 国際生理科学連合第36 回世界大会(IUPS2009)組織委員会の活動について P.115~
- SCIENCE TOPICS - 迷走か? カタプレキシーか? オレキシン作動系は情動行動の選択に寄与する(高草木薫) P.118~
- LECTURES - 局所とシステムの競合:運動時筋血流調節の特殊性 (増木静江、能勢 博) P.119~
- PROFILE - 瀬尾芳輝 P.128~
- PROFILE - 虫明 元 P.130~
- HELLO PSJ - National Institutes of Health, Maryland, U.S.A. (南本 敬史) P.131~
- AFTERNOON TEA - 上原 明 P.133~
- INFORMATION - 第16 回生理活性ペプチド国際シンポジウム The 16th International Symposium on Regulatory Peptides(REGPEP ’06) P.138~
- RECORDS - 平成17 年度日本生理学会第1 回常任幹事会議事録 P.139~
- RECORDS - 日本生理学会平成17 年度評議員会・総会議事録 P.143~
- CALENDAR - 主な研究集会日程 P.148~
表紙の説明
第82 回日本生理学大会(仙台)
演題番号: 3P054
演題:「ラットにおける動脈圧受容器が2-deoxy-D-glucose 投与時の腎と腰部交感神経活動の地域差に果たす役割」
“Role of arterial baroreceptors in regional difference in sympathetic nerve activity induced by 2-deoxy-D-glucse in conscious rats”
演者:永田恵子,吉本光佐,三木健寿
所属:奈良女子大学・大学院人間文化研究科・統御生理学
意識下のラットに,糖代謝の阻害剤である2-deoxy-D-glucose(2DG,750mg/kg)を投与し,腎と腰部交感神経の間での反応の差と,その差の成因について検討した.
A :対照群(Intact)における2DG 投与による,腎交感神経活動(RSNA)と腰部交感神経活動(LSNA)の対応の時間経緯をプロットしたもの.腎と腰部交感神経活動の変化の割合はIdentity line よりずれており,両神経間で反応の差が生じていることを示す.
B :頸動脈洞および大動脈弓の圧受容器神経を外科的に切除(sinoaortic denervation,SAD)したラットに同様の実験を行った.結果,腎と腰部交感神経活動の対応はIdentity line に沿う変化を示し,交感神経活動の地域差は観察されなかった.
以上,急性の糖代謝阻害は,腎と腰部の交感神経活動に異なった反応を引き起こし,その差は動脈圧受容器に起因することが明らかとなった.