平成22年度第1回日本生理学会将来計画委員会議事録
(通算第23回日本生理学会将来計画委員会議事録)
日時
平成22年12月10日
会場
学士会館 東京
出席者
前田正信(委員長)、鯉淵典之、久保義弘、佐藤多加之、丸中良典、芝本利重、鈴木敦子、内田さえ、多久和陽、矢田俊彦、岡村康司、関野祐子、野田百美、佐々木拓哉(順不同)
欠席者
上田陽一、石川義弘(順不同)
議長: 前田正信(将来計画委員会委員長)
書記: 内田さえ
資料: 平成22年度第1回日本生理学会将来計画委員会 資料
議 題
報告事項
平成20-21年度の将来計画委員会の活動のまとめを報告した。
- 日本解剖学会と連係し、基礎医学の現状についてアンケートを行い、「日本解剖学会・日本生理学会による『基礎医学教育・研究』アンケート結果について」として日本生理学雑誌およびホームページに発表した。
- このアンケートの結果を単なる報告として終わらせることなく、具体的な取り組みを行った。即ち、全国医学部長・病院長会議でのアンケート結果の紹介、アンケート結果の別刷りを全国医科大学学長、医学部長、附属病院長に郵送し理解をもとめた。日本学術会議へ提言した。
- 平成22年2月17日に、「基礎医学教育・研究の活性化に対する要望書」を、日本生理学会、日本解剖学会、日本生化学会、日本薬理学会が共同で、文部科学大臣等に提出した。基礎医学4学会が協力し、要望書を提出することはこれまでになかったことである。
- 平成22年5月の盛岡での日本生理学会大会で、「日本の基礎医学教室の現状と将来展望」の題で将来計画委員会からの提案でシンポジウムを行った。日本生理学会会長・理事長、日本解剖学会理事長、日本生化学会、日本学術会議、全国医学部長病院長会議会長、文部科学省高等教育局医学教育課からシンポジストにお呼びし、現在の基礎医学の危機に関する問題解決のためのシンポジウムを開催した。
- 次の協議事項1~5についても審議し、継続審議することとした。
協議事項
- 小中高校生に出前講義を行う「生理学アウトリーチ活動」の取り組み
既に各大学・機関が地域と連携して行っているアウトリーチ活動の事例を集約し、教育委員会と将来計画委員会が共同で地域に密着した活動としてアウトリーチ活動に取り組むことで意見が一致した。 - 他学会との共同開催の問題
日本生理学会の更なる活性化のためには、他学会と大会を共同開催することが重要ではないかとの意見で一致した。何年に1回共同開催するかについては、頻回に2年に1回以上との意見や、実際的には共同開催するには多くの困難があるとの意見があった。今後、日本医学会総会開催年に合わせて、また医学会総会開催年以外の年においても、連携可能な他学会との合同学会の開催、が望まれるとのことで意見が一致した。 - 他国の生理学会との共同開催の問題
近年研究水準が急激に上昇しているアジアの他国と活発に連携していく必要性が議論された。すぐに共同開催は実際的にはむずかしく、先ず日中韓合同シンポジウムを充実させることで意見が一致した。また、アジアの若い研究者を中心にtravel grantを充実させ、来日した若い研究者に日本の生理学研究室を見学をしてもらうことで交流を深める必要性についても意見が一致した。日本生理学会大会とは別に開催されている日韓シンポジウム等を日本生理学会大会に組み込んでいくことについて審議した。 - 地方会についての問題
日本生理学会大会を国際化するに伴い、地方会は若手中心で行うことで意見が一致した。地方会で若手同士の交流会を持つことについても議論された。 - 若い生理学会員を増加させる問題
コ・メディカル系大学や、生理学以外の教室からの参加を活発化させる必要性が議論された。生理学会が機能生命科学の研究者が集まる場になるよう、魅力ある学会になるよう努力していく必要があるなどの意見がでた。この問題は、いかに生理学会大会を充実させるかの問題に行きつくとの認識で一致した。これに関連して、上記3.の共同開催の件、大会学術プログラムについて開催シンポジウムの適正数や発表者の選び方、学術プログラム以外では、開催地(利便性なども考慮すべきなど)や懇親会のあり方などについて、活発に意見交換が行われた。この問題については、非常に大きな問題であるので、今後も継続協議して行くこととなった。