生理学若手サマースクール開催報告 (2005)

毎年、サマースクールが終わると気が抜けると同時にホッとしてしまい、この開催報告を書くのは次の年の開催についてのお知らせを日生誌に掲載する頃になってしまっていました。本年は今年の夏の暑さが残っているうちにお届けできましたでしょうか? 気が抜けるとはいっても、実は本年度のサマースクールが終了すると同時に来年度のサマースクールの準備を始めています。会場の予約は1年前から予約開始というところが多いのですが、いい場所、いい時期という2つが揃うと予約開始日には予約がはいってしまいます。また都内で 200 ~ 300名集まることができる格安の会場を押さえるのは至難の業です。先日、会場の下見に行き来年度の予約をしてきました。ということで、来年も 「生理学若手サマースクール2006」 を開催することが決定しました。

毎年恒例となった生理学若手サマースクールも今年で5回目を迎えました。今年は8月7日(日)~9日(火)に東京医科歯科大学5号館講堂で「情動・感情の生理学的理解」をテーマに開催しました(本年度のプログラム・テキストはサマースクールのホームページ ( http://www009.upp.so-net.ne.jp/susumu/summer2005.html ) からダウンロードしていただくことでご覧になることができます。またご覧になる際にはパスワード( 2005summerschool )が必要です)。本年度から日本生理学会主催に加え、文部科学省特定領域研究「統合脳」5領域が後援に加わってくださいました。振り返ると5回というのは、長くも短くも感じられます。これまでにサマースクールで講義をしていただいた講師の数は40名を超えています。講演料に加え交通費までも無料であり、しまいにはテキストまで執筆させられるというこの劣悪な扱いの中、引き受けていただいた講師の先生方には依頼しておきながら本当に感謝しております。そしてひとえに講師の方々による講義の質がよいという評判から、やる気のある質の良い参加者を毎回200名集めるようになったのではないかと思います。またこのサマースクールの講義がきっかけとなって、全く生理学とは違う異分野にいた方が生理学教室の大学院に入学したという話も耳にするようになりました。それにこれまではサマースクールでは生理学会への入会手続きは行ってきませんでしたが、今回から参加者に日本生理学会の内容を紹介し、初めて入会受付を行いました。その結果学生会員18名、一般会員2名、合計20名の新規入会をうけました。内訳もほとんどの方が医学系以外の方でありました。このサマースクールを通じて、生理学の重要さ、おもしろさに気づいていただけたのではないかと思います。

またサマースクールの運営方法に関しても今年からプログラム・運営委員会を設置し多くの方の意見を反映させるようにしました。今年度は委員長を 高橋 晋先生(京都大学大学院文学研究科心理学研究室)にお願いし 、高橋英彦先生(放射線医学総合研究所)、宮川尚久先生(理化学研究所脳科学総合研究センター)、政岡ゆり先生(昭和大学医学部第二生理学)、勝亦憲子先生(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科)、鹿中紀子先生(日本大学医学部精神医学講座)、本下真衣先生(東京医科歯科大学大学院心療緩和医療学)の各先生方に委員になっていただきました。多分野の方が運営に関わっていただくことで、より学際的なスクールになるのではないかと思っています。

来年は6回目になりますので、これまでとちょっと違った企画を盛り込んでみようと考えています。これまでは、参加者による発表の機会がありませんでしたが、来年からレセプション会場でポスター発表をしてはどうかと考えています。このポスター発表は、まだ完成していない研究途中のものでも、また現在計画している計画案の発表でもいいと思っています。というのも様々な分野の方が参加されているので、このサマースクールが自分では考えもつかないようなアドバイスをもらえるよい機会になってほしいと思っているからです。

来年は、7月31日(月)~8月2日(水)国立オリンピック記念青少年総合センター(東京・代々木)を会場に「生理学若手サマースクール2006」を開催いたします。これからテーマ、プログラムをプログラム・運営委員が中心となって決めていきます。これまでの参加者からのアンケートを参考にして、これまでと一味変わったサマースクールを企画できればと思っています。来年のサマースクールのプログラム・運営委員を募集しています。興味がある方は松田までご連絡ください (tetsuya@lab.tamagawa.ac.jp) 。

最後に、アドバイザーでありサマースクールに毎回参加いただきご挨拶していただいている金子章道教授(前日本生理学会会長・現IUPS 会長)、泰羅雅登教授(日本大学大学総合科学研究科)、サマースクール開催にあたり様々な協力をいただいている岡田泰伸教授(日本生理学会会長)をはじめ、お忙しい中講義をしていただきました講師の先生方に心より感謝いたします。