令和4年度水俣病に関する総合的研究について

1.背景

環境省では、水俣病被害者の救済及び水俣病問題の解決に関する特別措置法(平成21年法律第81号。以下「特措法」という。)第37条及び水俣病被害者の救済及び水俣病問題の解決に関する特別措置法の救済措置の方針(平成22年4月閣議決定。以下「救済措置の方針」という。)に基づき、メチル水銀が人の健康に与える影響に関する調査の手法の開発について、

① 有効な診断方法の開発

② 患者の経年的変化及び自然史の把握

③ 曝露量と症候の関係の解明

の3つの要素を基本方針として研究を進めています。

今般、 重金属等の健康影響に関する総合的研究(水俣病に関する総合的研究)において、令和4年度より、2.の研究を実施する研究者を公募します。

2.公募内容および概要

(1) 一般枠公募課題

上記の①~③の要素のうちひとつ、または複数について、推進すること、またはその推進にあたり有用な基礎的知見を得ることを目的とした研究課題です。本年度は下記の課題について公募を行います。

・曝露量と症候の関係の解明
メチル水銀曝露量と症候の関係(低濃度曝露における影響や用量反応関係など)の科学的な解明に資する知見の収集や研究手法の開発を目的とした研究。

新規採択課題予定数:2~4課題程度

(2) 政策枠公募課題

環境省として必要な研究課題であって,以下のいずれも満たすものを「政策枠」として設定します。

・水俣病被害者の救済及び水俣病問題の解決に関する特別措置法(平成21年法律第81号)に基づき行う研究

・当該研究の適当な実施者が見出される可能性が少ないと思料される研究

・水俣病認定患者を対象にするにあたって必要な配慮等の事情により、行政機関との緊密な連携が不可欠と考えられる研究

本年度は下記の課題について公募を行います。

・メチル水銀曝露に関するリスク評価研究

水俣病発生地域及びその周辺地域におけるメチル水銀曝露状況について、地域別・年代別などの観点から、各種資料の整理をするとともに、その曝露リスクを評価・推計する研究。

新規採択課題予定数:1課題程度

・水俣病患者の脳構造・機能の画像解析研究

水俣病がメチル水銀によって生じた中枢性の器質性神経障害であることに着目し、被験者の脳MRI画像を用いて、メチル水銀の影響を受けた者と正常人との形態的・機能的変化の差異から、メチル水銀による形態的・機能的影響を客観的に把握する手法を開発する。また、脳磁計等の脳MRI以外の検査方法によって得られたメチル水銀による機能的影響に係るデータと併せて評価することにより、当該手法の精度向上を図る。

新規採択課題予定数:1課題程度

3.想定している研究期間、研究費等

(1)研究期間

令和4年度から3年を上限とする期間。
(2)研究費

1課題あたり年間50~300万円程度。

4.応募方法

別添「研究計画書作成要領」を参考の上、様式「重金属等の健康影響に関する総合的研究 令和4年度 水俣病に関する総合的研究 研究計画書」をダウンロードし、必要事項を記入の上、下記事務局に電子メール(ファイルはPDF化する)で提出して下さい。

5.応募期限

令和4年4月18日(月)~5月18日(水)まで
詳細:http://www.env.go.jp/chemi/minamata/kobo_r04.html